抜けたインパクトになる理由を考える凡人はいないし、凡人だからこそ、みんなと同じ行動をして平凡過ぎる間違いを犯す。テニスは、他のスポーツ種目と比べて幾らか難しいのだから、ラケットの実態を軽視すれば、醜いスイングにもなろう。

汚いインパクトをする人は大勢いるし、汚い回転と、死んだバウンドで相手を嫌がらせて勝つ手段が、底辺のテニスで存在する。

凡庸なガット張りを買って、十数年経過すると、随分と悪い癖が染み付く。子供は粗末なガット張りに柔軟に適応して7年位は誤魔化せるが、そのツケは二十歳前後で返ってくる。

その癖はとても厄介なもので、同じ年数を掛けても、ぬぐい切れない程染み込む。思考も同時に侵される。粗末なガット張りを握って、二十歳以降に成功する人間はいない。居直っている連中はいるが、それは自分の私腹を肥やすためで、相手を堕としめているだけ。子供を金づるにするおっさんは、田舎にも結構いる。