「ガットは銘柄さえ押さえておけばどこで張ってもおなじ」という庭球文化の定説は、『こだわっていない』という意味。現実に、『こだわっていない』を口にする庭球愛好者は非常に多い。

「ガットはり」と称する粗末な買い物において、『こだわっていない』という主張は、最も庭球色の強いものです。例えば、政治に関して問われた際に、『こだわっていない』または「関心がない」というのは、最も強い政治主張です。食べ物について、着る物について、異性の好みについて、『関心がない』というのは、とても強い主張です。

日本では無知・無関心を象徴するような趣味になってしまった庭球ですが、TENNISはその生い立ちから世界中に広まった経緯まで、無知な人間が趣味にするのは難しい種目です。一つは道具が多すぎる位に多いこと。二つ目には、道具のテクノロジー変化が速い。今も進歩し続けている。もう一つは、個人種目だからです。自ら考えて行動することが問われる種目なので、あらゆるメジャースポーツ種目の中で最もと思われるほど、人々、特にジャーナリストから政治的意見を問われます。政治的発言を避ける傾向が際立って強いのがどこの国出身者かは想像されたし。