やるのが楽しいのか、できるから楽しいのか？

習い事の目的が後者の場合、どの程度できるようになりたいのかが目標になってくる。

前者の場合は、集まって喋るのを習い事の目的にする。もしくは、自己流で良いと思って人知れず行動する。テニスコートでもスイミングプールでもスポーツクラブでも、状況は似ている。

集まって行動するにしても、独りでするにしても、客観的に見て「上手になれないだろうな」と伝わる人たちというのは、やはり上達しない道を歩んでいる。

できるから楽しい、今できることよりもっとできるようになろうと思える人は、自分の身体の動きと状態を客観視するし、自分のその世界での立ち位置を認識しようと思う。並の人たちより、ほんの少し胆力がある、もしくは、じゃっかんの探究心、取り組みの誠実さを備えている。上達するという目的で行動する人は稀少で、レッスンが有料か無料かにかかわらず、おしゃべりせずに屁理屈を云わず、コーチの助言と技術理論を先ずは正確に書き留めて実行するのが手順。そして、継続して努力する人間は良い質問ができる。

技術に関する質問には正解と誤解があって、努力する人は常に正解路線の質問を複数持っている。屁理屈と卑屈に走る人は、この論点を育めずに停滞し、いつかその習い事を止める。止める理由は、コーチの言い方が悪い、もしくは、楽しくないのいずれか。これは、楽しいの定義を設定し間違えた帰結なのです。強情と屁理屈は、並の人間の常。技術を習得する上において、最も要らない業である。健康寿命がある内に気づかないと手遅れになる。